動脈硬化性疾患の状態把握に有用な画像診断(MRIとCT)
放射線被爆リスクがゼロ

CTもMRIも撮影する部位の断層画像を得ることができますが、画像収集の原理に相違点があります。

CTではエックス線を用いますが、MRIはその代わりに強力な磁石と外部磁場と電磁波を組み合わせることで画像を収集します。

CT検査は、体の周囲を回転しながらエックス線を照射して、体を輪切りにした断面画像を撮影します。画像では、大きい骨や血腫は白く映り、エックス線の吸収が小さい水や空気は黒く映ります。そのため、外傷や脳出血などの症状の診断に適しています。デメリットとしては放射線被ばくがあり、子供や妊婦は検査ができないという点が挙げられます。

通常のCT検査をさらに進歩させたのがマルチスライスCT(MSCT)検査です。従来のCTは1回転に月1枚の撮影しか行えませんでしたが、マルチスライスCTは1回転で複数枚の断面画像を撮影します。これにより心臓のように短時間で激しい動きをする部位も詳細な立体画像として把握することが可能になりました。

また、冠動脈疾患の最終的な診断は、従来、血管の中にカテーテルを挿入する血管造影検査や血管内視鏡検査が行われてきましたが、体への負担が少なくないため入院検査が必要という短所がありました。

しかし、マルチスライスCTならば日帰りの外来検査で最終的な診断がつくようになります。ただし被ばく量は通常のCTよりも大きいという欠点があり、今後は被ばく量を軽減する機種を開発するかが普及のカギとなってくるでしょう。

MRI検査は、病巣部分の形に加えて代謝産物の量も視覚的に把握することができます。脳梗塞では形の変化が現れる前の段階で、脳細胞の新陳代謝の異常が起こりますが、MRIならこれを画像で確認することができるため、早期発見に欠かせない存在です。

検査室は全体が強力な磁場となっているため、心臓ペースメーカーを装着している人は検査を受けられないことがあります。また、ガントリーと呼ばれるドーナツ状のトンネル装置に包まれるため、閉塞感が苦手な人の場合気分が悪くなることも考えられます。