単一の診療科における治療で動脈硬化性疾患を治療するのは不可能
血管病センター

健康保険組合や自治体では、生活習慣病の予防と早期発見・治療を目的として年に1回以上の健康診断を実施しています。

健診を受けることで、動脈硬化の危険因子となる高血圧、糖尿病、脂質異常症などを発見することができますが、その際に動脈硬化の疑いを指摘されることがあります。

その場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。まずは、かかりつけ医(一般内科)や総合病院では「循環器内科」を受診します。

高齢者の増加に比例して動脈硬化性の疾患が増え、糖尿病・透析合併症例の急増によって下肢病変の病態も複雑化しています。そのため、単一科の診療だけで治療を完結することは不可能で、神経内科、腎臓内科、脳神経外科、心臓血管外科、内分泌代謝科といった複数の診療科、地域医療と連携して治療に当たることが必須となります。

近年は、血管病に関する内科系、外科系の診療科を集約した高度な専門医療を行う血管病センター、心臓血管センター、脳血管センターなどの新設も相次いでいます。

上記の診療科を受診すると、医師の診察を受ける前に、現在の症状、過去の病歴、手術・輸血の経験、現在服用している薬剤、アレルギーの有無などを問診票に記入することが求められます。病気の診断・治療をするうえで大切な問診票ですが、なかでも薬剤による合併症や事故を防止するために、中でもアレルギー歴と服用している薬剤の名前は間違いのないようにすることが大切です。問診で診断が絞り込まれ、多くの疾患は問診だけでも診断することが可能です。

医師の診断を確実にするために行われる検査ですが、病気の進行程度の把握、治療方針の決定、治療の評価としても重要な役割を果たしています。検査は、その目的によって、①体の異常を発見するための検査、②病気の診断を行うための検査、③治療の有効性の確認のための検査、の3つに分類することができます。

健診などで実施される血圧測定、血液検査、尿検査、胸部エックス線撮影、心電図の測定などは、体の異常を見出す検査の典型です。これらは、スクリーニング検査と呼ばれ、これらの検査で動脈硬化が疑われる場合は、精密検査が行われます。

動脈硬化の代表的な精密検査は、血管の状態を直接見るCT、MRI、エコーなどの画像診断です。血管の硬さや血液の流れなどを間接的にみるのが、血管機能検査で、心臓足首血管指数(CAVI)、脳波伝播速度(PWV)などが該当します。

さらに合併症を診断するためには、血管造影検査や血管内視鏡検査、血管内超音波検査(IVUS)などが実施されることもあります。これらの大半は日帰りで実施できますが、体の負担が大きいと判断された場合は入院検査が必要となります。